仕事終わりの遅い時間や、小腹が空いた夜に「そばならヘルシーだから大丈夫」と思っていませんか?確かに、そばは低脂質で健康的なイメージがありますが、食べ方によっては夜に食べると太る可能性もあります。
では、夜にそばを食べても太らないためには、どのような工夫をすればよいのでしょうか?
この記事では、そばのカロリーや糖質の特徴、ダイエット向きの食べ方、太る原因になりやすいポイントを詳しく解説します。
夜そばを楽しみながら、健康的な食生活を送りたい方はぜひ参考にしてください。
- そばは低カロリーなのか?1食分はどれくらい?
- 糖質摂取量とインスリン分泌の関係
- 栄養バランスの良さとGI値の低さ
- 蕎麦とご飯どちらが太る?
- 太るか太らないかは食べ方次第
- 高カロリーの天ぷらそば・カレーそばに気をつける
- 太りにくいそばの種類(十割そば・田舎そば)
- トッピングを工夫
- 市販の濃縮つゆの糖分に要注意
- 食べる量と間食のバランス
- 運動と組み合わせてエネルギー消費を増やす
夜にそばを食べると太るのか?栄養成分とGI値を検証
茹で蕎麦の栄養成分
そば(ゆで)100gあたりと1食分(250g)の栄養成分を表にまとめました。
栄養成分はこちら
成分 | 100g | 250g |
---|---|---|
エネルギー | 130 kcal | 325.0 kcal |
たんぱく質 | 4.8 g | 12.0 g |
脂質 | 1.0 g | 2.5 g |
炭水化物 | 26.0 g | 65.0 g |
食物繊維総量 | 2.9 g | 7.25 g |
灰分 | 0.2 g | 0.5 g |
ナトリウム | 2 mg | 5.0 mg |
カリウム | 34 mg | 85.0 mg |
カルシウム | 9 mg | 22.5 mg |
マグネシウム | 27 mg | 67.5 mg |
リン | 80 mg | 200.0 mg |
鉄 | 0.8 mg | 2.0 mg |
亜鉛 | 0.4 mg | 1.0 mg |
銅 | 0.1 mg | 0.25 mg |
マンガン | 0.38 mg | 0.95 mg |
ヨウ素 | Tr | Tr |
セレン | 12 μg | 30.0 μg |
クロム | 2 μg | 5.0 μg |
モリブデン | 11 μg | 27.5 μg |
ビタミンA(β−カロテン当量) | (0) | (0) |
ビタミンD | (0) | (0) |
ビタミンE(α−トコフェロール) | 0.1 mg | 0.25 mg |
ビタミンK | – | – |
ビタミンB1 | 0.05 mg | 0.12 mg |
ビタミンB2 | 0.02 mg | 0.05 mg |
ナイアシン | 0.5 mg | 1.25 mg |
ナイアシン当量 | 1.5 mg | 3.75 mg |
ビタミンB6 | 0.04 mg | 0.1 mg |
ビタミンB12 | (0) | (0) |
葉酸 | 8 μg | 20.0 μg |
パントテン酸 | 0.33 mg | 0.83 mg |
ビオチン | 2.7 μg | 6.75 μg |
ビタミンC | (0) | (0) |
食塩相当量 | 0 g | 0.0 g |
そばは低カロリーなのか?1食分はどれくらい?
そばは一般的に「低カロリーでヘルシーな食品」と考えられていますが、実際の数値を確認すると意外にカロリーは高めです。
茹でたそば100gあたりのカロリーは130kcalで、1人前(茹で後250g)では325kcalになります。これはご飯1杯(150g:約234kcal)よりもカロリーが高く、単純に「そばは低カロリー」とは言い切れません。
しかし、そばはカロリーのほとんどが炭水化物由来であり、脂質が少ないのが特徴です。そのため、揚げ物や油を使った料理に比べると総カロリーは抑えやすくなります。また、そばは食物繊維が豊富なため、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果も期待できます。
ただし、つゆの量やトッピングによってはカロリーが大きく変わります。例えば、天ぷらそばは油を多く含むため、一杯で500kcalを超えることもあります。カロリーを気にするなら、シンプルなもりそばやざるそばを選び、つゆの摂取量を抑えることがポイントです。
糖質摂取量とインスリン分泌の関係
そばは炭水化物を多く含む食品であり、糖質量にも注意が必要です。
茹でたそば100gあたりの炭水化物は26.0gで、1人前(250g)では65gとなります。これはご飯1杯(150g:約53.4g)よりも多く、糖質の摂取量としては決して低くありません。
糖質を摂取すると、血糖値が上昇し、それを下げるためにインスリンが分泌されます。
インスリンは血中の糖をエネルギーとして細胞に取り込む働きを持ちますが、過剰に分泌されると糖が脂肪として蓄積されやすくなります。つまり、夜にそばを食べる場合、大量に摂取するとインスリンが多く分泌され、太る原因になりやすいのです。
しかし、そばには食物繊維が含まれており、白米に比べると血糖値の上昇が緩やかです。特に、そば粉の割合が多い十割そばや田舎そばは、さらに食物繊維が豊富なため、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
食後の血糖値を安定させるためにも、そばを食べる際は食べる量を適切に調整し、GI値の低い食品(野菜やタンパク質)と一緒に摂るのが理想的です。
栄養バランスの良さとGI値の低さ
そばは栄養バランスに優れた食品であり、ダイエット中でも積極的に取り入れたい食材の一つです。
そばには、ビタミンB1、B2、ナイアシン、マグネシウム、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれており、エネルギー代謝を助けたり、腸内環境を整えたりする働きがあります。
また、そばのGI値(グリセミック・インデックス)は約46と低めです。GI値とは、食品を摂取した後の血糖値の上昇度を示す指標で、数値が高いほど血糖値が急激に上昇しやすくなります。
例えば、ご飯(GI値75)や食パン(GI値58)に比べ、そばのGI値は低いため、脂肪として蓄積されにくい特徴があります。
ただし、市販のそばの中には、小麦粉の割合が多く含まれているものもあります。小麦粉の比率が高いそばはGI値が上がるため、ダイエットを意識する場合は、そば粉の含有量が多い「十割そば」や「二八そば」を選ぶとよいでしょう。
蕎麦とご飯どちらが太る?
そばとご飯のどちらが太りやすいのかは、摂取量と食べ方によって変わります。
カロリーだけを比較すると、茹でたそば100gあたりは約130kcal、ご飯100gあたりは約156kcalとなっており、同じ重量ならご飯のほうがカロリーは高くなります。
ただし、1人前の量を考えると、そば(250g=325kcal)とご飯(150g=約234kcal)では、そばのほうが高カロリーです。
また、糖質量についても比較すると、そば1人前(250g)では約65g、ご飯1人前(150g)では約53.4gと、そばのほうが若干多くなります。
しかし、前述の通り、そばはGI値が低いため、血糖値の急上昇を抑えられるメリットがあります。一方で、ご飯は血糖値を急激に上げやすいため、脂肪として蓄積されるリスクが高まります。
このように、単純に「そばのほうがヘルシー」とは言えませんが、GI値の低さを考慮すると、そばは血糖値の管理がしやすく、ダイエット向きの食品といえます。
食べる量と組み合わせる食品に注意すれば、ご飯よりも太りにくい選択肢となるでしょう。
太るか太らないかは食べ方次第
そばはヘルシーなイメージが強い食品ですが、夜に食べる場合、太るかどうかは食べ方によって大きく変わります。
例えば、天ぷらそばやカレーそばのように高カロリーな具材を加えたり、そばつゆを飲み干したりすると、摂取カロリーが増えて太りやすくなります。
一方で、そばの種類やトッピングを工夫すれば、夜に食べても太りにくくすることが可能です。また、つゆの量を減らしたり、そば湯で割ったりすることで、塩分や糖分の過剰摂取を防ぐこともできます。
太らないための工夫の仕方については、次で詳しくご紹介します。
夜にそばを食べても太らない工夫
高カロリーの天ぷらそば・カレーそばに気をつける
そば自体は比較的カロリーが低いものの、具材によっては簡単に高カロリーな食事になってしまいます。その代表が「天ぷらそば」と「カレーそば」です。
天ぷらそばは、エビ天や野菜天が加わることで一気にカロリーが上がります。例えば、エビ天1本(約70g)で約140kcal、かき揚げ(約100g)では約300kcalにもなります。
これにより、シンプルなかけそば(約300kcal)でも、天ぷらを追加すると500~600kcalを超えることも珍しくありません。揚げ物の脂質は消化に時間がかかるため、夜に食べると脂肪として蓄積されやすくなる点もデメリットです。
一方のカレーそばは、ルーに含まれる小麦粉や油分、さらには糖質がカロリーを押し上げます。市販のカレールーを使用すると、1食あたり約600kcalを超えることもあります。
さらに、カレーのとろみをつけるために使用される小麦粉が、GI値を上げる要因となるため、血糖値の急上昇を引き起こしやすくなります。
夜にそばを食べる際は、天ぷらやカレーを避け、できるだけシンプルな食べ方を意識しましょう。もしどうしても食べたい場合は、天ぷらを半分にする、油を控えた調理法のカレーを選ぶなど、工夫が必要です。
太りにくいそばの種類(十割そば・田舎そば)
そばには様々な種類がありますが、太りにくいものを選ぶなら「十割そば」や「田舎そば」がおすすめです。
十割そばは、小麦粉を一切使用せず、そば粉100%で作られています。そのため、GI値が低く、食後の血糖値の上昇を抑えやすいのが特徴です。また、そば粉には食物繊維が豊富に含まれており、糖質の吸収を緩やかにする効果も期待できます。
田舎そばは、そばの実の外皮部分まで挽いて作るため、通常のそばよりも食物繊維やミネラルが豊富です。特に食物繊維は血糖値のコントロールを助け、腸内環境の改善にも役立ちます。また、香りが強く食べ応えがあるため、少量でも満足感が得られやすいのもメリットです。
一方で、一般的なそば(特に安価なもの)は小麦粉の割合が多く、GI値が高くなりがちです。そのため、そばを選ぶ際は「そば粉の割合が多いもの」を基準にすることがポイントです。
商品パッケージの原材料をチェックし、「そば粉」が最初に記載されているものを選ぶとよいでしょう。
トッピングを工夫
そば単体では栄養バランスが偏りがちですが、トッピングを工夫することでダイエット向きの一食にすることが可能です。特に意識したいのは「野菜」と「たんぱく質」です。
野菜には食物繊維が多く含まれ、血糖値の上昇を抑える効果があります。例えば、大根おろしやオクラ、わかめ、なめこなどをトッピングすると、低カロリーで栄養価を高められます。また、これらの食材は消化を助ける働きもあるため、夜に食べても胃腸への負担を抑えられるのがポイントです。
たんぱく質を加えることで、満腹感を持続させやすくなります。豆腐や納豆、卵(温泉卵やゆで卵)などをトッピングすると、たんぱく質を効率よく摂取できます。特に納豆は、そばと一緒に食べることで、植物性たんぱく質をしっかり補えるため、ダイエット中にもおすすめの組み合わせです。
トッピングを工夫するだけで、そばの栄養バランスが大幅に向上し、満足感もアップします。食べ応えを出しつつ、余計なカロリーを増やさない工夫を意識しましょう。
市販の濃縮つゆの糖分に要注意
そばを食べる際に見落としがちなのが「つゆの糖分」です。特に市販の濃縮つゆには、みりんや砂糖が多く含まれているため、意外とカロリーが高くなりやすいのです。
例えば、市販のそばつゆ(ストレートタイプ)100mlあたりのカロリーは約44kcal。濃縮タイプのものは、希釈せずに使うと糖分を多く摂取することになり、血糖値の上昇を引き起こす原因になります。また、そばつゆには塩分も多く含まれるため、むくみの原因にもなります。
カロリーを抑えるためには、そばをつゆにしっかり浸けずに、軽くつける程度にするのがポイントです。また、つゆを手作りすることで、糖分や塩分を調整しやすくなります。昆布やかつお節から出汁をとり、醤油やみりんを控えめにすることで、より健康的なそばつゆが作れます。
食べる量と間食のバランス
そばは比較的ヘルシーな食品ですが、食べる量を間違えるとカロリーオーバーになり、太る原因になります。特に夜は活動量が減るため、必要以上に食べると消費しきれず、脂肪として蓄積される可能性が高くなります。
1食あたりの適量は、茹でた状態で200~250g(乾麺なら80~100g)が目安です。これを超えると糖質の摂取量が増え、血糖値の急上昇を招く恐れがあります。また、つゆを飲み干すと塩分や糖分の摂取量が増えてしまうため、そばを軽くつけて食べる程度に抑えるのが望ましいでしょう。
さらに、夜そばを食べる場合は間食とのバランスにも注意が必要です。特に、お菓子やジュースなど糖分が多いものを摂ると、そばの糖質と合わさって余計なカロリー摂取につながります。間食をする場合は、ナッツやヨーグルト、豆腐など低糖質・高たんぱくな食品を選ぶとよいでしょう。そばの食べ方を工夫し、摂取量を適切に管理することで、夜に食べても太りにくくなります。
運動と組み合わせてエネルギー消費を増やす
夜にそばを食べても太らないためには、食後の過ごし方も重要です。特に、食べてすぐに寝てしまうと、消費しきれなかったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなるため、軽い運動を取り入れることが効果的です。
食後30分以内の軽いウォーキングは、血糖値の上昇を抑える効果があり、脂肪の蓄積を防ぐのに役立ちます。特に夜は激しい運動を避け、散歩やストレッチなどの低強度の運動を取り入れるとよいでしょう。また、スクワットやプランクなどの簡単な筋トレも、基礎代謝を上げるのに効果的です。
もし運動をする時間が取れない場合は、食後に家事をしたり、お風呂で湯船に浸かって血流を促したりするだけでも代謝が上がります。
夜にそばを食べる際は、食後の習慣を少し見直すことで、カロリー消費を促し、太りにくい体を作ることができます。
夜にそばを食べると太るか?まとめ
そばはヘルシーなイメージがありますが、夜に食べると太る可能性もあります。
そばのカロリーは1人前(茹で後250g)で約325kcal、糖質量は65gと、ご飯よりも高い数値になることが多いです。一方で、そばのGI値は約46と低く、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。
太らないためには、そばの種類や食べ方が重要です。特に、十割そばや田舎そばは食物繊維が多く、血糖値のコントロールに適しています。
逆に、天ぷらそばやカレーそばは高カロリーになりやすいため注意が必要です。また、市販の濃縮つゆには糖分が多く含まれるため、使用量を控えめにすることもポイントです。
夜にそばを食べるなら、適量を守り、野菜やたんぱく質を加えてバランスを取ることが大切です。さらに、食後の軽い運動を取り入れることで、エネルギー消費を促し、太りにくい食生活を実現できます。